2017年12月29日金曜日

「食品表示法」食品表示基準に基づく食品及び添加物の表示について (1)


食品の表示に係わる法律
 これまで食品及び添加物の表示については、食品衛生法、JAS法、健康増進法等の複数の法律により定められており、非常に複雑なものでありましたが、新たに平成27年04月01日に「食品表示法」が施行され、これまでの三つの法律の食品の表示に係わる規定が一元化されました。(但し、具体的な表示のルールは「食品表示基準」で定められています。)


旧制度からの主な変更点
  この新しい「食品表示法」では、旧食品表示制度から、主に下記の点が変更になっています。そこで、本号では、下記記載の①~③迄の項目についてまとめ、お知らせさせて頂くことにします。


製造所固有記号の使用方法に係るルールの変更
 製造所固有記号については、一般消費者向けに販売される加工食品及び添加物は、原則として同一製品を2つ以上の工場で、製造される場合に限り、使用可能という形になり、1箇所の工場で製造される場合には使用出来なくなりました。又、使用する場合には、新たに消費者からの問い合わせに対する応答義務が課せられ、右表「※製造所固有記号を使用する場合に表示が必要な事項」の1)~3)いずれかの項目を表示しなければなりません。一方、業務用加工食品及び添加物については、従来通り、同一製品を2つ以上の工場で製造していなくても使用可能であり、応答義務もありません。但し、いずれも新制度に基づく製造所固有記号の取得が必要であり、新制度に基づき取得した記号は、旧制度の記号と区分するため、「+」を冠にして表示するというルールが適用されます。
 
 
 原材料名表示に係るルールの変更
 食品に添加物を使用した場合や使用した原材料に添加物が含まれる場合の原材料名の表示方法については、添加物と、それ以外の原材料がわかるように、「添加物」の項目名を設けて表示するなど、明確に区分して表示するようになりました。
又、これまで原材料を区分せずに重量順に表示することを定めていた「パン類」、「食用植物油脂」、「ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料」、「風味調味料」についても、他の加工食品と同様に添加物と、それ以外の原材料を区分し、それぞれに占める重量の割合の高いものから順に表示することに統一されました。
更に、単に混合しただけなど、原材料の性状に大きな変化が無い「複合原材料(中間加工原材料)」については、それを構成する原材料を分割して表示することが新たに可能になりました。

 
アレルゲン表示に係るルールの変更
 加工食品及び添加物のアレルゲン表示については、これまでの「特定加工食品」及び「拡大表記」による表示方法が廃止され、特定原材料及び特定原材料に準ずるもの(以下、特定原材料等)を原材料として含んでいる場合は、原則として、個々の原材料名の直後に括弧書き(個別表示)をして特定原材料等を含む旨を表示することになりました。但し、例外的に原材料の直後にまとめて括弧書きする方法(一括表示)も認められています。
この一括表示を行う場合には、特定原材料等そのものが、原材料として表示されている場合や、代替表記で表示されているものを含め、当該食品に含まれる全ての特定原材料等について、原材料欄の最後に改めて表示する必要が生じます。
尚、個別表示と一括表示を組み合わせて使用することは出来ないことと定められています。





  まとめ
本号で紹介した表示ルールの変更点だけでも、多くの箇所が変更されています。この事から、今一度、「食品表示基準」を確認され、ルールを遵守し、適切に表示されているのかどうか確認されてみられては如何でしょうか。尚、次号も今回掲載できていない変更点について紹介させ頂きます。

 SANKEI NEWS Report 11月号 PDF版↓
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2017年11月20日月曜日

国内における有機食品の現状について


有機食品の国内需要

 米国や欧州を始めとする海外では、有機食品の愛好家が多く、一般的な食料品店の売り場には、ほぼ全ての品目に有機食品が陳列されており、いつでも有機食品を手軽に購入する事が出来ます。その一方で、日本国内では欧米諸国に比べますと、まだまだ有機食品の需要は少なく、生産量も少ない状態ですが、近年では健康志向の高い女性を中心に、有機農産物や有機加工食品を好んで購入される方も増加しており、専門店だけでなく、一般の食料品店やネット通販等でも、有機食品が販売されるケースが見られる様になって参りました。
 しかも、2020年に開催される東京オリパラ競技大会の期間中に選手団やサポートチームに提供される食事の調達基準の一つとして、GAP認証を受けた農産物のうち、国内の有機農業によって生産された有機農産物が推奨されるという事は決定しており、今後、日本国内においても、その需要は高まるのではないかと考えられています。

 

有機食品に係わる認定制度

 農林水産省では、有機食品に係わる認定制度として、有機JAS(日本農林規格)という規格を定めており、現在、この有機JAS規格は、生産方法に関する規格に該当しており、『有機農産物』、『有機加工食品』、『有機飼料』及び『有機畜産物』の4品目4規格が定められています。



有機食品に使用する事が出来る食品添加物(殺菌剤)

 通常、加工食品を製造する上では、食品衛生法で規定する「食品・添加物の規格基準」に基づき、各種食品類の原材料を殺菌する事や洗浄する事は認められていますが、有機JAS規格(日本農林規格)では、上記の内容とは別に、有機食品を製造する上で、その使用が認められている食品添加物と使用基準、そしてその重量の割合が5%以下というルールも定められています。(表3)












 この事から、有機JAS認証を受けた有機農産物や有機農産物加工食品の原料野菜の殺菌や洗浄に、食品添加物である次亜塩素酸Na溶液や、高度さらし粉、亜塩素酸水(きのこ類を除く)、亜塩素酸Na溶液(生食用野菜類に限る)、過酢酸製剤は使用出来ず、有機酸溶液等の使用も認められていないのが実状のようです。又、次亜塩素酸水も、次亜塩素酸Naに各種酸を加えた次亜塩素酸Na調整液は使用出来ないと明記されています。


まとめ
 昨今、日本国内においても各種有機食品の需要は少しずつではありますが、高まりつつあり、その内の有機農産物に関しましては、2020年に開催される東京オリパラ競技大会で提供される農産物の調達基準の推奨項目の一つとして明記されています。従いまして、今後はこれら有機農産物を始めとする有機食品の需要がますます増加していくであろうと予測されています。
 しかしながら、この有機食品を製造し、市場に流通させる為には、農林水産省が定めている有機JAS規格(日本農林規格)の認証を取得する必要があり、この有機JAS規格には、様々な制約があります。その中で食品添加物に関しましては、食品衛生法上で認められている物質の中から使用出来る食品添加物と、その使用制限が細かく規定されており、塩素系殺菌剤に関しましては、一般的な食品原材料の殺菌処理剤として、多くの方々が利用されている次亜塩素酸Naすら、この有機農産物の殺菌には、使用する事は出来ず、動物の腸の消毒若しくは卵の洗浄用に限り、その使用が認められています。その為、有機食品を加工されている食品メーカー様では、有機農産物専用の生産ラインを設置したり、唯一使用が認められているオゾン若しくは食塩水を電気分解した次亜塩素酸水の生成装置を導入する等、様々な設備を投資され、製造されておられます。しかし、これら有機農産物の原料殺菌に使用可能なオゾンや次亜塩素酸水に関しましては、有機物(汚れや野菜のエキス)が多く存在している環境下では、十分な殺菌効果が得られない場合が多く、取引先様や自社で定められている微生物規格を遵守する事も出来ない場合が多々あるというのが実態の様です。しかも、有機農産物は慣行野菜とは違い、牛糞や鶏糞等を利用した有機発酵肥料で栽培される為、この堆肥由来の病原微生物に汚染されている可能性が高く、もし仮に殺菌不足により、有機農産物にこの病原微生物が付着したまま製造された有機加工食品が市場に流通してしまいますと、大きな食中毒事故に繋がる危険性があります。従いまして、有機農産物並びに、この有機農産物を原料に用いた有機加工食品の製造を行う上で、原料野菜の殺菌処理や洗浄処理は重要なポイントであり、又、汚れていたり、汚れが取れにくい現場という環境下でも殺菌効果を享受して頂くこと、尚且つ次亜塩素酸水と同じ食塩を電気分解する事で得られる亜塩素酸水の使用は、むしろ啓蒙されるべきであり、何よりも有機農産物は慣行野菜よりも衛生的でなければならないと考えます。そして、その為には、安全・安心な有機農産物を用いて有機食品を加工する事が出来る法整備が今こそ、必要なのではないでしょうか?

SANKEI NEWS Report 10月号 PDF版↓
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2017年10月5日木曜日

腸管出血性大腸菌による食中毒について



腸管出血性大腸菌による食中毒が流行中


8月中旬に埼玉県や群馬県の同系列の総菜店で販売されていたサラダ類を摂取した方々が、腸管出血性大腸菌O157に感染するという集団食中毒が発生しました。そして、この集団食中毒は、日を追う毎に感染者数が増加し、この内、同店の炒め物を食べられた3歳の女児が『溶血性尿毒症症候群(HUS)』を発症し、今月に入り亡くなってしまうという悲しく悲惨な事故に繋がってしまいました。
又、この事例とは別に全国の焼肉店や、レストラン、居酒屋などの飲食店でも腸管出血性大腸菌の内のO157を原因物質とする食中毒事故が、相次いで発生しており、テレビやインターネット等で連日報道されています。<表1> 
この腸管出血性大腸菌類による集団食中毒については、過去から、度々発生しており、1996年に岡山県や大阪府の学校給食で発生した腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒や、2011年に、富山県、福井県、神奈川県の焼肉チェーン店のユッケ等で発生した腸管出血性大腸菌O111による集団食中毒。更には2012年と、2014年に北海道や静岡県等で発生した浅漬けや、2016年には静岡県の食品会社で製造された冷凍メンチカツで発生した腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒で、多くの人が感染し死者も出たという食中毒事故は記憶に新しいニュースであります。


食中毒を引き起こす病原性大腸菌

大腸菌は、腸内細菌としてヒトや動物の腸管内に常在し、土壌や水などの自然界に広く分布しています。そして、その多くは病原性を保有していません。しかし、一部の大腸菌は、病原性大腸菌と称されており、食中毒や急性胃腸炎の原因物質になっています。又、腸管出血性大腸菌による食中毒は、汚染食品を摂取し、腸管内で感染・増殖することで引き起こされる感染型食中毒であり、病気の発症(発病)の仕方によって5種類に分類され、又、3類感染症としても指定されています。

①腸管侵入性大腸菌(EIEC)
大腸(結腸)粘膜上皮細胞に侵入・増殖し、粘膜固有層に糜爛(びらん)と潰瘍を形成する結果、発熱を伴った赤痢様の激しい症状を引き起こします。

②腸管毒素原性大腸菌(ETEC)
小腸上部に感染し、コレラ様のエンテロトキシンを産生する結果、発熱を伴った腹痛と水溶性の下痢を引き起こします。

③腸管出血性大腸菌(EHEC)
ベロ毒素を産生し、発熱を伴った激しい腹痛、水溶性の下痢、血便などを引き起こします。特に小児および高齢者では、溶血性尿毒症や脳症を引き起こします。

④腸管病原性大腸菌(EPEC)
小腸に感染して腸炎等を引き起こします。

⑤腸管凝集接着性大腸菌(EAEC)
主として熱帯や亜熱帯の開発途上国で長期に続く小児などの下痢の原因菌となります。わが国ではまだ殆どこの菌による患者発生の報告はありません。
 これら病原性大腸菌のうち、国内で発生している食中毒の多くは、③腸管出血性大腸菌(EHEC)によるものですが、血清型により分類され、その代表的なものはO157で、その他にO26、O111、O145などが知られています。


腸管出血性大腸菌O157の特徴

腸管出血性大腸菌O157は、家畜(牛、豚、羊)の腸管内に腸内細菌として生息しており、家畜の解体処理時に腸管を傷つけてしまった場合に、腸管内容物が食肉に付着し、汚染の原因になったり、ヒトまたは家畜の糞便によって、水(井戸水など)や土壌が汚染され、それらを用いて栽培された野菜などが汚染されたり、これら本菌に汚染された食品を十分な加熱や薬剤による殺菌処理も施さずに、摂取することで感染し、食中毒を発症する事に繋がります。又、他にも患者や健康保菌者の糞便からも、ヒトの手指を介して経口感染したり、二次的に汚染された食品を摂取する場合でも感染し、発症すると言われています。

 

食材は十分な洗浄と殺菌を!!

①食肉は中心部を75℃で1分以上加熱する。
②生食用の野菜類や果実は、良く洗浄を行い、高齢者や若齢者に食事を提供する場合は、次亜塩素酸ナトリウム等(亜塩素酸水、亜塩素酸ナトリウム溶液、過酢酸製剤、次亜塩素酸水並びに食品添加物として使用出来る有機酸溶液)で殺菌処理する。

二次汚染対策の徹底を!!

 
①必ず流水・石けんによる手洗いを2回行い、消毒用アルコールをかけて手指の消毒を行う。(作業開始前、汚染区から非汚染区への移動時、食品に触れる作業直前、生肉や魚介類、卵殻等に触れたあとに、他の食品に触れる場合)

②使い捨て手袋は都度々交換する。(手指の洗浄・消毒と同タイミング)

③包丁やまな板等の器具・容器やシンク等は食品・用途別に区分けして、使用する。(下処理用:魚介類、食肉類、野菜類。調理用:加熱調理済み、生食野菜用、生食魚介類用に区分け)

④食材の下処理は汚染作業区域で確実に行い、非汚染区域を汚染させない。(交差汚染を防止する)

⑤調理で使用した器具・機械・容器等は、良く洗浄したのち、85℃で5分以上の加熱又は、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸水、次亜塩素酸水等)やエタノール系の消毒剤で十分殺菌してから乾燥させる。

⑥ドアノブ等のヒトの手指が触れる設備やトイレは業務開始前、業務中及び業務終了後に、定期的に、清掃と消毒剤による消毒を行うこと。

まとめ
 腸管出血性大腸菌O157は10~100個という少ない菌量でも感染し、食中毒を発症します。その為、調理器具類や設備類、施設内のドアノブや取っ手等、人が多く触れる箇所に、僅かでも本菌が付着していると、作業者や調理従業者の手指が汚染され、これが結果として食品に移行し、この食品を摂取する事で感染してしまいます。然るに単純に消毒しているから大丈夫というのではなく、適切な洗浄や除菌処理が必要な場所や物に必要に応じて講じられていなければ、効果が発揮される事も、感染を防止する事も、食中毒が収まる事もありません。しかも近年では、化学肥料ではなく、牛糞や鶏糞等を利用した有機発酵肥料で栽培された農産物の販売や、これら有機農産物を用いた加工食品の製造も増加傾向にあり、糞便由来の本菌を含む病原性大腸菌に汚染された野菜や果物が入荷してくる可能性も高まりつつあり、これを洗浄もせず殺菌処理も施さず、そのまま摂取する事は、非常に危険な行為だと言わざるをえません。そこで、これら腸管出血性大腸菌を含む病原微生物類による食中毒事故を、未然に防ぐ為にも、『大量調理施設衛生管理マニュアル』や、これに伴う関連法令や、規範等の内容を、大規模な食品加工施設だけに留めず、今回、食中毒事故が発生したバックヤードを保有している食品販売店や、飲食店の厨房等の中小規模の施設にも適用されるべきであり、食品を取り扱い提供している全ての施設で、原材料の洗浄と殺菌処理を奨励すると共に、器具・機材類や、施設・設備等の洗浄と除菌処理の強化と、二次汚染対策には、塩素系消毒剤による除菌処理の重要性をもっと強く訴えるべきだと考えています。そして、これから迎える冬場でも食中毒は発生します。だからこそ今、更なる衛生管理体制の強化を図られては如何でしょうか?

SANKEI NEWS Report 9月号 PDF版↓
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2017年8月24日木曜日

ノロウイルス食中毒・感染性胃腸炎について




ノロウイルスによる集団感染
2017年8月4日~13日の10日間の日程でイギリスのロンドンでは、世界陸上競技選手権大会が開催されており、連日テレビで中継されていますが、この大会中に、各国の選手団が宿泊している公式ホテルの一つで、胃腸炎などの体調不良者が続出し、症状を訴えている人々は、約50名にものぼり、そのうち数名からノロウイルスが確認されているという報告がありました。

ノロウイルスについて
ノロウイルスとは、遺伝子として一本鎖RNAを持ち、エンベローブを有さないRNAウイルスであり、このノロウイルスを起因とする食中毒や感染性胃腸炎は、一年を通して発生し、特に冬季(10月~3月)に多発しています。尚、ノロウイルスは人の手指や食品を介して経口で感染し、ヒトの腸内で増殖します。症状としては、おう吐、下痢、腹痛などを引き起こし、健康な人であれば、2~3日で快方に向かいますが、子供や高齢者などでは重篤化したり、吐物を気道に詰まらせて死亡する事もあります。又、ノロウイルスはワクチンがなく、治療方法も輸血などの対症療法に限られているのが実情です。
ノロウイルスは感染後、凡そ1~2日の潜伏期の後に発症し、2~3日で回復に向かいますが、小児では3週間以上、成人では2~3週間に渡り、糞便にはこのノロウイルスが潜伏したままの状態で排出されます。
尚、摂取してから、15時間後には発症前であっても感染した人の糞便に含まれているノロウイルスが排出され始め、摂取後1~3日後にこの排出のピークが見られると言われています。しかも、無症候性保菌者も多く、十分な注意が必要です。


食中毒と感染性胃腸炎の違い
ノロウイルスによる「食中毒」と「感染性胃腸炎」の違いは、どちらもノロウイルスに感染した事を意味していますが、関係する法律の定義の違いによって分類されています。
尚、その取り扱いについては、ウイルスに汚染された食品を摂取する場合には「食中毒」、それ以外の原因で発症したものは「感染性胃腸炎」として扱われます。

まとめ
ノロウイルスを起因とする食中毒や感染症は、毎年、拡大傾向にあり、その対策として、厚生労働省におきましても、平成28年度には、国立医薬品食品衛生研究所において作成された「ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告書(平成27年度)」を参考資料として、「大量調理施設衛生管理マニュアル」を改定し、この際、調理機械、調理台、調理器具類などは、ノロウイルスに対する不活化効果を期待することが出来る薬剤を選定し使用することや、十分な洗浄が困難な器具類については、有機物存在下でも不活化効果を期待することが出来る、亜塩素酸水又は次亜塩素酸ナトリウム等で浸漬処理し、消毒すること。と明確に記されており、つい先月も、このノロウイルス対策に係る項目が新たに追加・変更され、食品に携わる施設や調理従業者に対する衛生管理の強化と、その徹底が指導されています。
 尚、2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会も控えており、今回、イギリスで開催された世界陸上競技大会で発生したノロウイルスによる集団感染のような事態を引き起こさない為にも、更なる強化が図られるであろうと予測されます。
そしてまた今年度も、このノロウイルスの流行シーズンが近づいてきています。貴施設の日頃の衛生管理方法や、緊急時の対応方法を、今一度見直され、ノロウイルスを起因とした食中毒や感染症を発生させない管理体制を、これまで以上に、強化された方が良いのではないでしょうか?







SANKEI NEWS Report 8月号 PDF版↓

「大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日付)」の改正について





平成29年06月16日付けで「大量調理施設衛生管理マニュアル」が改正されました。
本マニュアルについては、平成28年07月にも、ノロウイルス食中毒事故に対する措置案として大幅な改正が行われましたが、先般の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会において、平成28年度の食中毒発生状況を踏まえ、ノロウイルス対策並びに腸管出血性大腸菌対策に関する議論がなされ、調理従業者等の健康状態の確認に関する重要性が指摘された事によって、新しく改正されることになりました。

今回改正された背景
平成28年度に東京都及び千葉県の老人ホームにおいて合計10名が死亡する腸管出血性大腸菌O-157による食中毒が発生し、関係自治体による調査の結果、未加熱の野菜調理品(きゅうりのゆかり和え)が原因食品であると判明し、この事により、高齢者や若齢者等の抵抗力が弱い方々に、野菜及び果物を加熱せず提供する場合には(表皮を除去する場合を除く。)殺菌処理を施す必要があると定められました。
また、平成29年02月に、きざみのりを原因食品とする大規模なノロウイルス食中毒が発生し、乾物や摂取量が少ない食品も含めて、製造加工業者には、調理従事者の健康状態の問診確認と、その記録の保管に関するノロウイルス対策を適切に行う事が定められました。

主な改正箇所について
今回の改正によって、本マニュアル内に新たに追記もしくは変更された箇所としましては、大きく「原材料の受入れ・下処理段階における管理」に係る改正と、「調理従業者の衛生管理」に係る改正であります。

【原材料の受入れ・下処理段階における管理に係る改正】
①「加熱せずに喫食する食品(乾物や摂取量が少ない食品を含む)を原材料として、受入れる場合は、製造加工業者の衛生管理体制を確認すること。特にノロウイルス対策を適切に行っているのかを確認すること。」と新たに明記されました。

②「高齢者、若齢者及び抵抗力の弱い物を対象とした食事を提供する施設で、野菜及び果物を加熱せずに供する場合(表皮を除去する場合を除く)殺菌すること。」と対象施設が新たに明記されました。

【調理従業者等の衛生管理に係る改正】
①「調理従業者等は、毎日作業開始前に、自らの健康状態を衛生管理者に報告し、衛生管理者はその結果を報告すること。」と新たに明記されました。

②「調理従業者等は臨時従業員も含め、10月から3月までの間には、月に1回以上、又は必要に応じてノロウイルスの検便検査に努めること。」と新たに検便の期間と頻度が明記されました。

③「ノロウイルスの無症状病原体保有者である事が判明した調理従業者は、検便検査においてノロウイルスを保有していない事が確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な措置を取ることが望ましいこと。」と新たに発病に至らない感染が判明した場合の対応が明記されました。

④「これまでノロウイルスの検査に当たっては、リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査を実施し、保有の有無を確認する事」とされていましたが、「遺伝子型によらず、概ね1g当たり105オーダーのノロウイルスを検出出来る検査法を用いる事が望ましい。」と変更になりました。


「大量調理施設衛生管理マニュアル」に記載されている野菜・果物の殺菌洗浄方法」
現在、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(別添2:標準作業書)(原材料等の保管管理マニュアル)で記載されている野菜・果物の殺菌洗浄方法と、殺菌時に使用することが出来る薬剤は表の通りであります。

【処理方法】
①流水で3回以上水洗いする。
②必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌※した後、流水で十分水洗いする。
③水切りする。
④専用のまな板、包丁でカットする。
⑤清潔な容器に入れる。
⑥清潔なシートで覆い(容器がふた付の場合は除く)、調理まで30分以上を要する場合には、10℃以下で冷蔵保存する。
※水洗い前の工程は省略しています。

【殺菌で使用可能な薬剤】
・次亜塩素酸ナトリウム溶液 (200mg/ℓで5分間又は100mg/ℓで10分間)
・亜塩素酸水(きのこ類を除く)
・亜塩素酸ナトリウム溶液(生食用野菜に限る)
・過酢酸製剤
・次亜塩素酸水
・食品添加物として使用出来る有機酸溶液
※これらを使用する場合、食品衛生法で規定する「食品、添加物の規格基準」を遵守すること。

 
まとめ
「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、同一メニューを1回300食以上または1日750食以上を提供する大量調理施設に適用される規定ですが、それ以外の中規模、小規模の調理施設でも、また、加熱せずに喫食することを前提にしているカット野菜やカット果物等を加工する施設においても、また他にも、生野菜を原料とする浅漬け等、漬物類を製造・加工している施設でも、同マニュアルの趣旨を踏まえた上で衛生状態を管理するように指導されています。
 従いまして、食品の製造及び提供されます企業様におかれましては、今後も最新のマニュアルに注意され、本マニュアルにできる限り準拠した上で、施設内で取り扱われる原材料の保管や施設内の衛生管理、並びに調理従事者等の健康管理の徹底を図られ、引き続き、食中毒の発生防止対策の強化を図られます様、切にお願い申し上げます。

SANKEI NEWS Report 7月号 PDF版↓
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2017年7月6日木曜日

カット野菜及びカットフルーツ類の酵素的褐変と制御について


カット野菜及びカットフルーツ類の「酵素的褐変」
食品の褐変には、酵素の作用によって発生する「酵素的褐変」と、「非酵素(化学)的褐変」があります。リンゴやレタスをカットして放置しておくとカット断面が茶色や赤色に変化する現象が「酵素的褐変」であり、マグロの刺身や牛肉の色調が徐々に黒ずむ現象や、糖類の加熱によるカラメル化反応やメイラード反応が「非酵素(化学)的褐変」と呼ばれています。特に近年ではカット野菜やカットフルーツ類の需要が急増しており、これら製品の流通販売中に、「酵素的褐変」が発生すると、見栄えを著しく低下させてしまう為、この現象を如何に制御するのかが大きな課題となっています。
酵素的褐変の発生メカニズムは、野菜や果物に含まれるフェノール類(ポリフェノール)が、ポリフェノールオキシターゼ(フェノール類を酸化させる酵素)によって酸化され、キノン類を生成し、この酸化により生成されたキノン類が重合する事で、褐色色素を生成し、発生します。<図1>
尚、このフェノール類とポリフェノールオキシターゼは局在性があり、通常の生体内では接触する事がなく褐色反応は起こりません。但し、カットや潰すなどの調理加工を施したり、栽培中に虫や鳥が傷つける等によって、植物細胞が破壊され互いが接触し、褐変反応が始まります。<図2>
又、酵素的褐変は、リンゴのように直ぐに褐変する即時型と、カットレタスの様に褐変に数日掛かる遅延型が存在し、この違いは組織内のポリフェノール量に起因します。そのため遅行型のレタスでは、元々含有量の少ないポリフェノール類が保存期間中に新たに生合成され、これがポリフェノールオキシターゼの酸化力によって褐色します。
尚、野菜及び果物中に多く存在している基質は、カテキン類、クロロゲン酸類であり、アミノ酸であるチロシンも基質となります。
リンゴに含まれる主要なポリフェノールは、クロロゲン酸であり、200mg/100g程度存在している様です。又、レタスはクロロゲン酸の他にコーヒー酸と酒石酸がエステル結合したチコリ酸も多く含まれている様です。





カットレタスの褐変
カットレタスの保存期間中の褐変現象については、レタス中には、僅かしかポリフェノール類は存在していません。しかしながら、カット等処理することで、レタスが傷害誘導反応を起こし、酵素の活性が進んでしまいます。この活性した酵素により、ポリフェノール類が誘導的に合成され、この生成したポリフェノール類が、次々にポリフェノールオキシターゼによって酸化され、褐変反応が発生すると言われています。このためカットレタスの褐変現象には、新たなポリフェノール類の生合成が必要となります。この事から、カットレタスを含む遅延型の酵素的褐変を制御するためには、生合成されるポリフェノールを増やさない事が必要になります。


酵素的褐変の制御方法
この酵素的褐変を防止する方法として、<参考2>の様な手段があります。
但し、加熱するなど、野菜や果物をカットし、生のまま流通販売する製品類では導入する事そのものが非現実的な方法も多く、最終製品に適した手段を検討して頂く必要があります。


塩素酸化物による酵素失活作用
次亜塩素酸ナトリウムを始めとした塩素酸化物は、その酸化力により、タンパク質を変性させる力を持ち、多くの酵素はタンパク質を基に構成されているため、塩素酸化物による殺菌処理を施して頂く事で、同時に酵素活性を失活させる事ができます<図3>。但し、カットレタスの褐変反応の原因である酵素を失活させるために、単純に次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水などの希釈液に浸漬処理するという方法では効果が得られにくく、ある一定の塩素濃度や接触時間が必要であり、その条件次第では塩素臭味の付着や、浸漬処理を行うことによる、葉の萎れやべたつき等と言う弊害も発生しやすくなるので、十分な注意が必要です。


まとめ
近年カット野菜やカットフルーツ類の需要が増加していますが、製品の流通販売中に酵素的褐変が発生し、見栄えを著しく低下させてしまう為、この現象を制御する事が一つの課題になっています。
 また、この酵素的褐変は、野菜や果物中に含まれているフェノール類が、カット処理などを行い植物細胞が破壊される事で、同じく野菜や果物中に含まれるポリフェノールオキシターゼ(酵素)と接触し、酸化する事で発生する現象であり、この褐変現象の制御方法として、「酵素を失活させる」、「酵素反応を抑える」、「酸素を除く」、「還元剤や酵素阻害剤を使用する」などの手段があります。
 しかしながら、カット野菜や果物に対して使用可能な手段として適切なものは少なく、これら最終製品に適した制御方法を選択して頂く必要があります。又、同時にカット野菜やカットフルーツ類の流通保存状況を考えた場合、微生物制御も考慮しておかなくてはなりません。
従いまして、今後は食品加工会社だけでなく、街の飲食店などもHACCPの導入が義務化され、ますますカット野菜やカットフルーツ類の需要が増加する可能性を秘めています。この事に伴い、遠方への販路拡大や賞味期限の延長などを検討される際の酵素的褐変を制御する手段の一つとして、塩素酸化物の酵素失活作用を利用した方法について、一度検討されてみられるのはいかがでしょうか?

SANKEI NEWS Report 6月号 PDF版↓
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2017年6月21日水曜日

国内の食品流通加工業界における今後の農産物の調達基準について


GAPとは
スーパーなどで生鮮野菜や果物を購入する際、何を基準に選ばれていますか?国産品?農薬や化学肥料などを使わずに生産された有機JAS品?伝統的な方法で生産された地場の特産品ですか?その理由は様々だと思います。
その一方で、まだ馴染みが薄いのですが、海外のスーパーや飲食店、食品工場などでは、『GAP(Good Agricultural Practice)』という基準を農産物を仕入れる際に利用しています。尚、このGAP認証を受けている生産者や団体は世界各国に多数存在し、事実上の国際規格として利用されています。
そしてこのGAPは、適正農業規範または農業生産工程管理と訳され、農業生産現場において、食品安全、労働安全、環境保全、人権などを同時に達成しながら、持続可能な農業を実践していくことを求める国際認証であり、簡単に説明しますと、食品工場では既に当たり前になっているHACCP(危害分析重要管理点)の考え方や手法を、農業の現場に導入したものになります。


GAPの種類と国内の取得状況
現在、世界には様々な分類のGAPが存在していますが、その内、国内の生産者や団体等が取得しているGAPは<表1>の通りです。
また、農林水産省の調査では、国内のGAP導入状況は全体の62%がなんらかのGAPを導入しています。しかしながら、その内、グローバルマーケットで活用出来るGLOBAL.GAPは、世界124カ国、約16万件(平成28年1月現在)の認証取得件数がある一方で、国内での認証取得件数は340件(平成28年3月末現在)しかなく、主に青果物や日本茶等、海外へ輸出されている農産物で取得されているケースが多い様です。
この事から農林水産省としましても、官民一体となった農林水産物・食品の輸出促進を行う上で、輸出先となる国や事業者等から求められるGLOBAL.GAP等の認証取得を推進しており、又、同時に国際的な取引にも通用するGAPに関する規格・認証の仕組みの構築(日本発の輸出用GAP≒J.GAP)を進めています。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会の調達基準
なお、このGAPは2020年に開催されます、東京オリンピック・パラリンピック競技大会で選手やサポート・ボランティアスタッフ等に提供される食事の原材料の調達基準としても定められています。<図1>
このため、東京オリンピック・パラリンピック競技大会で、組織委員会から選定されたケータリング事業者に対して、生鮮野菜やその他加工品等を販売するとした場合、このGAP認証が取得されている事が必須事項として求められます。









GAPとGFIS(Global Food Safety Initiative) について
世界的に有名な飲食メーカーやスーパー等は、世界中から農産物を始めとする食材を調達しています。その際、調達する食品の安全性を確保することが重要になります。そこで、これらの企業はGFSI(世界食品安全イニシアチブ)という国際組織を作り、独自の規格基準を設け、その仕組みを提供しており、この際の代表的な制度の一つとしてもこのGAPは利用されています。また、GFSI(世界食品安全イニシアチブ)とは、世界各国の小売業・食品メーカーで構成されるTCGF(国際消費財流通組織)傘下の食品安全の推進母体であり、サプライチェーンを通じて食品の安全について協働し、知識を交換・共有し、グローバルスタンダードを策定しています。
なお、このGFISの承認を受けた認証制度は『GFIS承認スキーム』と呼ばれ、食品加工や農業などを対象にして、また、信頼に足る食品の安全の認証制度として、世界中で利用されています。
この事から、従来までは、仕入れ先を評価・管理・選別するためのスキームは、食品を取り扱う企業がそれぞれ任意に決めていましたが、今後は、GFIS承認スキームの認証であれば良い、もしくはGFIS承認スキームである事が最低条件になるという方向に向かっています。
しかも、GFISでは、評価の手順や基準を示したガイダンス・ドキュメント(全4部構成)を公表し、このスキームに基づき評価をしており、このガイダンスの中で、各分野の内、A(畜産物、水産物の生産)、B(植物、穀類、豆類の生産)、D(植物性食品、ナッツ類、穀類の前処理)、E(要冷蔵生鮮食品の処理)及びL(化学物質、生化学物質の製造)についてマネジメント、生産工程管理(GAP及びGMP)、HACCPに関する要求事項等が示されています。
まとめ
GAP認証制度は、日本国内ではまだ馴染みが薄いのですが、世界的に見ますと欧州を中心に、大手小売業者等と取引を行う為の国際基準(≒GLOBAL. GAP)として認識されており、この取組はGFSIという食品の安全性を考える国際的な構想における具体的な手法の一つとして位置づけられています。
また、日本政府も官民一体となった農林水産物・食品の輸出を促進する上で、HACCP、ハラール、GLOBAL.GAP等の認証取得を推進しており、これは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会で提供される食事の原材料の調達基準にも必須事項として盛り込まれています。
しかし、今は農産物や食品の海外輸出を行う際の取引条件という認識が強く、これらの認証制度は、東京オリパラ大会以降、国内の食品加工流通業者にとっても、農産物を仕入れる際の取引条件として要求される可能性が高くなる事は必至です。また、水産物やその他の食品についても同様の認証基準が求められていく事も予測されます。
従いまして、今後は自社工場におけるHACCP認証だけでなく、仕入れ基準としてのGAP認証や、ハラール認証などに関する取組を進められ、世界的な食品の安全基準を満たした加工食品やサービスの提供を検討されてみられては如何でしょうか。

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2017年3月29日水曜日

生食用鮮魚介類、生食用かき及び冷凍食品(生食用)の加工基準の改正

生食用鮮魚介類の加工基準改正の経緯
近年、生食用鮮魚介類の加工基準の改正が進んでいますが、この加工基準は、「食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について」という厚生労働省告示によって法制化されており、その始まりは昭和46年と意外に古く、その当時は鮮魚介類には化学合成品たる添加物はいかなる理由があっても使用してはならないと定めていましたが、近年の食品の多様性を考慮し、殺菌を目的とする場合に限り、その安全性が確認出来た食品添加物については加工基準の中に取り入れていくという方向性が生まれ、平成13年からは殺菌を目的とした場合に限り、次亜塩素酸ナトリウムが生食用鮮魚介類に使用することができるようになり、これによって衛生基準を満たすことができるようになりました。
さらに平成28年には2回改正され、生食用鮮魚介類への直接殺菌剤として、亜塩素酸水、次亜塩素酸水などの新しい殺菌技術が追加されました。<表1>


加工基準における原料用鮮魚介類に対する添加物の使用について
生食用鮮魚介類の加工基準の中には、“原料用鮮魚介類”という表現があり、平成13年厚生労働省告示第213号において、「第213号における生食用鮮魚介類の加工基準中の(5)の処理を行っていない鮮魚介類については、化学的合成品たる添加物の使用規定は適用されないこと。」という記述があります。
またこれは、生食用鮮魚介類として加工される以前の鮮魚介類については、化学合成品たる添加物の使用を妨げるものではないという事でもあり、原料用鮮魚介類の段階では、衛生基準を満たすため、いわゆる殺菌を目的としている場合、化学合成品たる添加物を使用できるという事になります。
但し、食品添加物の使用基準と、最終製品において、消費者誤認を招くような欺瞞的使用方法は、添加物本来の目的とは異なる為、認められていないことは大前提となります。

生食用鮮魚介類を原料にした場合の加工基準
生食用鮮魚介類は、原料用鮮魚介類に殺菌処理を施すことによって衛生的な状態となった最終製品であり、生食用鮮魚介類を原料として購入し、再度、生食用鮮魚介類に加工した場合、その取り扱いには十分な注意が必要となります。
特に、海外でフィレ加工した生食用鮮魚介類を原料として輸入し、これを国内で生食用鮮魚介類として再加工した場合、原料用鮮魚介類とは認められず、この原料は生食用鮮魚介類の加工基準が適用済みの状態となり、化学合成品たる添加物を使用することはできません。<表2>
これは、そもそも生食用鮮魚介類に加工された段階で、すでに衛生基準が満たされているはずであるという考えが根底にあるからです。

生食用鮮魚介類とその対象業者
最終製品として市場流通される生食用鮮魚介類は、一般に消費者が加熱せず、そのまま摂取する事が前提であり、軽度な加工が施されるもの(刺身、すし、和え物、酢の物)だけはこの中に含まれています。また、対象業者としましては、魚介類せり売業者、仲買業者、魚介類販売業者、製造加工業者、 および一部の飲食店営業者であり、製造加工業者としては、むき身業者、ゆで貝、 ゆでたこ、ゆでいか、ゆでかに、ゆでえび等の製造加工業者、生節の製造業者、生しらすの製造業者と、一部の飲食店営業者であり、この一部の飲食店営業者には、すし屋及び刺身等を作る料理店が含まれていますので、やはり最終製品となる生食用鮮魚介類を消費者へ提供する業者が対象であるということはわかっていただけるのではないでしょうか?
また、冷凍食品(生食用鮮魚介類に限る。)及び生食用かき(生食用鮮魚介類等)についても生食用鮮魚介類と同様に改正されており、<表3>このように、生食される鮮魚介類については、全体的に改正され、最終消費者に対する食の安全性を確保する為に、衛生基準を担保するという点が、より強調された結果だと言えるのではないでしょうか?

まとめ
これまで、漁港に併設されていた加工場では処理水に海水を直接使用していましたが、この海水を殺菌し、飲用適の食品製造用水を用いることにした平成13年の加工基準大幅改正により、これ以降、腸炎ビブリオによる食中毒は激減することとなり、これは国内企業の衛生管理基準の強化による賜物であると捉えられています。
しかし、海外で加工されたものも生食用鮮魚介類であり、これを国内で二次加工して生食用鮮魚介類として商品化する際には、すでに加工基準が適用済みであることをご存知ではない方も多く、今や、コンビニでも寿司が販売されている時代であります。今回、改正されました食品衛生法につきましては、再確認していただきますと共に、安全な鮮魚介類が正しく流通されることを望んでやみません。


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2017年3月16日木曜日

アブラナ科野菜類のワックス成分の 除去と殺菌効果の助長について


アブラナ科野菜の水はじきと界面活性剤

アブラナ科の野菜類や(キャベツ、ブロッコリー、水菜等)、パクチー、大麦若葉等の野菜類は、ロウ質であるワックス成分(ワックスブルーム)を生成する事で、乾燥や低温や太陽光線(直射日光)、更には害虫等からその身を守っています。そのため、このロウ質によって、野菜表面の水はじきが強くなるという特徴を持ち、洗浄効果や殺菌効果が得られづらく、このことがカット野菜を加工する上での課題の一つとして挙げられます。しかし、これら野菜類を加工する上で、中性洗剤を用いて洗浄することで虫を取り、汚れを除去していますが、この中性洗剤を構成している界面活性剤には、水になじむ成分(親水基)と、油になじむ成分(親油基または疎水基)があり、この成分によって4つに分類されます。
<図1>そして、このアブラナ科の野菜類を殺菌するためには、この表面に付着しているワックス成分を除去し、水はじきを解消しなければ如何なる殺菌剤の効果も半減してしまいます。では、どのような洗剤を使用すれば殺菌しやすくなるのでしょうか?そこで色々と調べてみましたが、そのような角度で検証されたデータはなく、また知見も少なく、アブラナ科野菜類を殺菌するために適している前処理洗浄剤を、野菜表面に付着している微生物を除去し、殺菌するという観点から検証されたことは、どうも無いようです。そこで、この度この観点に立って検証試験を実施してみる事にしました。


市販洗剤に見る界面活性剤の配合割合
市販で購入できる家庭用洗剤を例に取りますと、複数の界面活性剤が配合されており、これらの用途は主として食器洗いであり、泡立ちの良いアニオン系のものから、昨今では泡切れを調整することができ、水質に左右されないノニオン系の配合比率が高まっているようです。その中でも代表的な市販洗剤<図2>の洗浄効果と殺菌効果を検証してみることにしました。
まず、各市販洗剤の特徴を確認するために、ラー油とごま油を混ぜ合わせたものを水に浮かべてから、ここに市販洗剤を滴下させますと油の乳化・分散・可溶化を比較することができます。そこで、この性質を用いてその効果を確認してみましたところ、以下<図3>のようになり、市販洗剤によっても、各種界面活性剤の組み合わせによっても、その効果が異なるということがわかりました。
また、この市販洗剤の中には、野菜・果実を洗浄(5分間)するという使用方法が用途として記されていないものもありますが、アブラナ科のようなワックス成分で覆われた野菜類を洗浄し、その後殺菌するとした場合、どのタイプの界面活性剤を用いて前処理した方が良いのかを確認してみる為に、4つの市販洗剤を用いて、水菜(アブラナ科)を洗浄してみました。
























水菜(アブラナ科)における洗浄と殺菌効果
水菜はカット野菜の中でも常在菌数が高く、しかも水はじきが強いため、殺菌しづらい野菜類の1つですが、前述の4つの市販洗剤を用いて5分間洗浄し、その後殺菌処理した後の菌数を確認してみましたところ<図4>、市販洗剤による洗浄後の菌数差はさほど無く、その後、殺菌処理を施しますと、菌数結果に違いが見られ、C社から発売されています、製品3、製品4では、一般生菌数、大腸菌群数ともに、殺菌効果が明確にみられています。
また、殺菌直後の水菜中の残留塩素を測定してみましたところ、水道水で洗浄したものと、各種市販洗剤で処理したものとの間には大きな差は見られず<図5>この事は、洗浄することでワックス成分が除去され、水菜に殺菌液の有効成分が浸透したからではなく、表面のワックス成分を除去することで、水菜の水はじきが無くなり、水菜の表面にのみ付着している微生物に対する殺菌効果が強まったからではないかと考えられ、やはり水菜の常在細菌の多くは表面に付着しているという事がわかりました。


まとめ
水菜、キャベツなどのアブラナ科の野菜の表面にはワックス成分があり、洗浄水や殺菌剤を自らはじいてしまうことでその殺菌効果が得られづらいという特徴があります。
そこで、これらアブラナ科の野菜類のワックス成分を除去する為には、実際には洗剤で前処理した方が良いのかどうかを、一般的によく知られている家庭用の洗剤を用いて確認してみました。
その結果、前処理洗浄はとても効果的であるということがわかり、また、この前処理に用いる洗剤としましては、アニオン系の界面活性剤100%で構成されている製品が最も効果的であり、次に、アニオン系の界面活性剤の配合量が多い製品の結果が良く、アニオン系の配合量が多い洗剤の方が殺菌助長効果が強い様です。
ただしその一方で、ノニオン系を中心とした泡切れの良さを特徴としている製品の方は、ワックス成分除去効果も、殺菌助長効果も得られづらいという事がわかりました。しかし、アニオン系の配合が多すぎますと、泡立ちが強く、洗剤成分を洗い流すための水洗い回数が多くなり、手間が増える可能性があり、カット野菜工場の自動洗浄ラインでは泡が残り、作業性が悪化する懸念があります。
以上のことから、レタス等は、野菜表面にワックス成分が少ないので、虫取り程度の軽度の洗浄で良く、泡立ちが少ないノニオン系の洗剤で処理してもなんら問題はありません。しかしながら、アブラナ科の野菜類や、水をはじきやすい野菜類や、浸透性の悪い野菜類の場合には、アニオン系を中心としながらノニオン系の界面活性剤をバランス良く配合し、ワックス成分の除去と、現場での泡切れの良さの両面に配慮している洗剤を用いなければ、これら野菜類に付着している微生物類を効率よく除去し、殺菌する事はできないという事なのです。
そして、これらの野菜類を処理する場合には、前処理洗浄はとても重要であり、泡切れの良さを求めるだけでなく、古典的ではありますが、アニオン系の効果を中心とし、ノニオン系の界面活性剤がバランス良く配合されている洗剤で前処理しておくことこそ、この後、殺菌しやすくなるという、とても賢い使い方だという事がわかりました。是非皆様も試してみて下さい。

SANKEI NEWS Report 3月号 PDF版↓

日本と米国の食品添加物の規制 (ポジティブリスト)の違いについて


米国における食品に直接添加できる物質

米国では食品に直接添加できる物質は、食品添加物、GRAS物質、着色料の3つに区分けされており<図1>特に食品添加物は、ポジティブリスト制を採用しており、アメリカ食品医薬品局(以下FDA)において、21 CFR(Code of Federal Regulations)のPart 172、Part173で定められています。また、食品添加物の定義外であるGRAS物質も、一般に安全であると認められているものとして広く公開されていますが、この米国で認められている食品添加物やGRAS物質と、日本で認められている物質は同一ではなく、両国において加工食品を輸出入する際には混乱を招くことが多々あります。なお、米国では1958年から、食品添加物のポジティブリスト制度を導入しましたが、これまで使用されてきた食品添加物の取り扱いをどうするかという議論が発生し、安全で毒性の無いものについては、GRAS物質として再び登録することとし、その後、再評価することによって、GRAS確認済物質というステータスとして登録することにし、ポジティブリスト化したようです。このことは日本国でも同様であり、日本の食品添加物の分類も米国のGRAS物質と同じく既存添加物として位置づけられています。また、米国、日本国のいずれにおいてもこのポジティブリストにないものについては、当然のことながら食品に使用することはできません。なお、米国ではGRAS物質の中からネガティブリストに移された物質(デラニー条項として)も存在する他、日本国でも順次食品安全委員会において再評価されています。


ポジティブリスト/ネガティブリスト
米国における食品に直接添加可能なポジティブリスト対象物質は<図2>の通りであり、21CFR Part172、173と、21CFR Part182、184、FDAに掲載されているGRAS物質の3本柱であると言えます。

米国、日本国の調味料(アミノ酸)の登録状況例21CFR Part172には、食品に直接添加可能な食品添加物が掲載されていますが、日本でも食品添加物登録が多いアミノ酸については以下の通りであり、日本で認められているもの、米国で認められているものとに分けられ、その登録の状況についてまとめてみますと、<図3>まず、21CFR Part172にアミノ酸として登録されている食品添加物は22品あり、これらは、日本国でも全て食品添加物として認められています。しかし、全体的な傾向としましては、FDAにおいてはアミノ酸などの食品評価は終了しており、食品添加物として掲載が完了している状況でありますが、日本国では、既存添加物と指定添加物が混在している状況のままです。しかも、日本国の既存添加物については、米国ではGRAS物質という立ち位置になりますが、古来から日本で慣例的に使用されてきた物質についてはGRAS掲載されている可能性はほとんど無く、申請しなければ、当然GRAS物質になることも、GRAS確認物質になることも無いと言えます。また、日本では調味料として使用されている「DL-アラニン」は、米国ではピクルス製造時の製造塩水に対するフレーバー剤としての用途に限定されており、この様にFDAでは、添加物を登録するだけで無く、一部に詳細な用途や使用方法を限定し、濃度、使用方法も規定しているものが多々あります。その一方で、日本国では、古くから登録されている物質であればあるほど物質名と用途を記載しているだけのものが多く、一般的な調味料として使用しているものが、米国では調味料として広く使用することが出来ない場合も多々あります。そこで、日本でも2003年7月以降、食品安全委員会が設置され、食品の安全行政が進んでいますが、中でも指定時期が古い物質については、十分に注意して使用する必要があるといえます。

まとめ

米国と日本における食品添加物の規制についてはポジティブリストを作成するという考え方は同じなのですが、登録されている状況は、若干の違いが見られます。また、日本国内で食品加工する場合には、日本国の添加物法規に従い製造することになりますが、そうして製造された加工食品を、海外へ輸出する、あるいは、海外で製造された加工食品を、日本国内へ輸入する場合には、どのような食品添加物を用いて製造されたのかということを十分に把握しておく必要があります。特に昨今は書類申請中に記載する事項も増えており、通関時などで、シップバックされる対象になる可能性も多く、現在の食品加工は、既に多国籍加工の時代に突入しており、原料と、加工地と、消費地は、別々の場所であることの方が多く、そのため、消費地における法令を確認しながら、加工地の法令に遵守して製造しなければならないという意識を持たなければならないということではないでしょうか?


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2017年2月6日月曜日

弁当、そうざいの衛生規範から見る未加熱食品のトッピング事例と衛生規格



加熱済み食品と未加熱食品を組み合わせた食品の衛生規格について

ノロウイルスなどの食中毒事故が増加の一途を辿っておりますが、特に生野菜については、未加熱のため食中毒が発生しやすく、昨年末に厚生労働省は老人ホームにおける未加熱野菜の提供の場合、塩素殺菌を徹底するようにと指導したばかりです。
また、この未加熱野菜であるサラダについては、ここ数年前からサラダ単体で流通するというだけではなく、弁当やそうざい等にトッピングされるケースが多くなり、未加熱野菜由来の食中毒の危険性そのものは高まる一方であり、生野菜に対する殺菌処理の重要性は増しているといえます。
しかし生野菜の場合、単独の衛生規範や規格は存在しておらず、厚生労働省が定める弁当、そうざいの衛生規範の中にあります「サラダ、生野菜等の未加熱処理」という項目に規格が存在しているだけです。
過去には東京都などの自治体にも衛生規範や衛生規格が存在していましたが、厚生労働省の食品衛生法で定められていることから廃止され、統一化されてしまいました。なお、この弁当、そうざいの衛生規範には〈図1〉のように定められており、未加熱野菜は、一般細菌数が100万個/g以下という規格が存在しているだけです。(加熱済みは、10万個/g以下、E.Coli(糞便系大腸菌群)陰性であり、規格が厳しく管理されている)


しかし、今日の商品形態は流通の向上によってチルド化し、様々な形態を取る様に変化して(進化して)おり、衛生規範を設定した当初は予想もしていなかったような商品が数多く作られ、販売される様になりました。
食品製造業においても、加熱済みと未加熱野菜を組み合わせた場合の微生物規格がどのようになっているのかはあまり知られていません。
そこで、以下について東京都内のある保健所に確認してみました。(但し、自治体によって判断は異なる可能性があるとのこと)

<ケース1>
パスタや揚げ物などの加熱済みそうざいの上に、生野菜をトッピングした場合
⇒最終製品で判断。未加熱そうざいになる。

<ケース2>
上記の場合でフィルム・トレー等で区分けした場合、またはトッピング量が少ない場合
⇒トッピング量で変更無し。トレー等で区分けしても生野菜をトッピングした場合、全て未加熱そうざいになる。

<ケース3>
生めんは、めん類の衛生規範が別途あるが、生野菜をトッピングした場合
⇒全て未加熱そうざいになる。

つまり、食中毒防止の観点ではあまり良いとは言えませんが、生野菜をトッピングした場合、微生物規格がゆるくなるということになります。これは生野菜には微生物類が多く付着していて当たり前だという過去の慣例も影響しているのではないでしょうか?
その一方で、日本生活共同組合連合会では、未加熱野菜であっても、次のような微生物規格を設けており、消費者への食の安心と安全を考慮していることが伺えます。〈図2〉


生野菜に使用できる塩素系殺菌剤について
未加熱の代表である生野菜については、ノロウイルス食中毒の増加から、厚生労働省でも塩素殺菌を推奨しておりますが、現時点(2017.01)で生野菜を殺菌処理することが認められている食品添加物としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、高度サラシ粉、亜塩素酸水、亜塩素酸ナトリウムの5剤がその使用を認可されています。〈図3〉
なお、食肉、食肉製品に使用する亜塩素酸ナトリウムには使用制限があり、pH2.3~2.9に調整した亜塩素酸ナトリウムの浸漬液を30秒以内で使用し、最終製品完成前に分解し、除去すること。という調整条件と使用条件が付随しております。また、この薬液条件は他の食品では使用できません。

にも関わらず、近年漬物業者が、原料野菜の殺菌を目的として、この亜塩素酸ナトリウムを使用し、漬物を加工したところ、使用基準違反で商品回収された事例もあります。よって、これらの使用基準は、あくまでも最終製品で判断されるということにも留意する必要があると言えます。

次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、亜塩素酸水、亜塩素酸ナトリウムには使用基準が設定されています。

まとめ
ノロウイルスやカンピロバクター属菌による食中毒は増加の一途をたどっておりますが、生野菜を加熱済み食品にトッピングしますと、その最終食品は未加熱処理品とみなされ、微生物規格が緩和します。そこで、厚生労働省が定める弁当、そうざいの衛生規範を遵守するだけではなく、各社が食の安心・安全を考慮し、独自の微生物規格を設けたり、未加熱食材を、加熱食品とは区別して、それぞれ別々の微生物基準を設定し、それに従い検査し、管理する等、常に衛生的な食品を提供できる体制を整えなければならないのではないでしょうか?
しかも、消費者ニーズは多様化し、食品の多様化も進んでいます。よって、このなケースでも、食品製造メーカーにとって自主管理基準はより一層、重要な防御体制になるのではないでしょうか?ただし、法規というものは、後から追いついてくるものであります。食中毒事故を未然に防ぐ為にも、食品の衛生管理は、より慎重に進めなければならないはずです。特に未加熱野菜だけでは微生物類の増殖は緩やかでありますが、タンパク質や炭水化物に、この未加熱野菜由来の微生物が付着してしまいますと、急激に増殖します。この事から考えましても、一般生菌数だけの管理ではなく、E.coli(Escherichia coli)の自主検査を欠かさず実施し、管理されるべきではないでしょうか?

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